COLUMNオフィス アイデアコラム

オフィス改革から始める「働き方改革」とは
2019.12.13UP

働き方改革が浸透し、テレワークや労働時間削減等に企業、官公庁、自治体等が取り組んでいます。そのような中、オフィス環境を見直し、働き方を改善する「オフィス改革」も一つの大きな効果が得られると各所で進められています。実際、どのような効果を得られるのでしょうか。事例を参考に確認していきましょう。

「働き方改革」を取り巻く現状

2019年4月1日から「働き方改革関連法」が施行されたことにより、さまざまな法改正が行われています。例えば、残業時間の「罰則付き上限規制」、5日間の「有給休暇取得」の義務化などがあります。

特に企業などの組織は「時間外労働の削減」が急務となっており、同時に労働時間把握義務も課せられています。

帝国データバンクが2018年8月に全国の企業に対して実施した「働き方改革に対する企業の意識調査」結果では、63.1%が働き方改革の取り組みに前向きで、実際に取り組んでいる具体的内容は、「長時間労働の是正」が79.8%で最も高く、次いで「休日取得の推進」が61.8%、「人材育成」が56.3%と続きました。

効果のある内容として、労務・人事面では「長時間労働の是正」が30.3%、業務改善(生産性向上)では「業務の合理化や効率化のためのIT機器・システムの導入」が21.5%と、それぞれ高くなっていました。

長時間労働是正のためには、業務効率化と生産性向上施策が欠かせないことから、オフィスの環境を見直し、快適かつスムーズに働くことのできる環境へと改革する「オフィス改革」から働き方改革の施策を行っている組織も多くあります。

「オフィス改革」により、働き方はどう変わるか?

「なぜオフィスを改善すると『働き方改革』につながるのか?」と感じられる方もいるかもしれません。

実は、働き方を見直すには、既存の制度や仕事の仕方を、廃止も含めて根本から見直し、より従業員の生産性が高まる業務改革に取り組むことが欠かせません。そのための環境作りの一つがオフィス改革なのです。

オフィス改革は、次のような働き方改革の効果を生むことが期待できます。

●業務効率化

例えばフリーアドレスを導入しても、仕事に集中したいときには集中席を利用できるようにすることで多くの従業員の業務が効率化します。集中席で作業している人には話しかけない、電話を取り次がないなどのルール作りも必要です。

●コミュニケーション活性化

部門・部署を超えた従業員が集まる場所を設けることで、コミュニケーションを活性化し、垣根を超えた会話から新たな発想が生まれることも期待できます。

●会議時間の短縮

効率的に打ち合わせができる、モニター設置のミーティングスペースや会議室は、会議時間そのものの削減はもちろん、会議室予約や会議資料作成などの時間短縮にもつながります。

●コスト削減

例えば、ICTツールを活用した無人受付、テレビ会議システム導入などのICT投資により、一人当たりの作業能率の向上、人員の削減、業務プロセスや作業効率の改善などが実現し、コスト削減を達成した例もあります。

先進の取り組み事例のご紹介

働き方改革の一環としてオフィス改革を行っている事例は数多くあります。代表的な先進的取り組み事例をみていきましょう。

●総務省 行政管理局

平成29年9月、中央合同庁舎第2号館 総務行政管理局は、6Fにフリーアドレスを採用し、463箱分の書類を破棄、打ち合わせスペースの大幅増、コミュニケーションスペースの設置などを行いました。主に次の成果を出しています。

・コミュニケーションの活性化

管理職は窓側・役職順といった配席、個人用キャビネット付きデスクの存在などを再検討し、チーム型テーブル導入や業務に応じて什器レイアウトもアレンジした結果、課室長級の職員の約7割が「作業開始前に、管理職も含めて対処方針を相談するようになった」、補佐級以下の職員の約7割が「作業の手戻りが減った」と述べています。

・スペース創出

執務エリアを埋め尽くす、背丈を超える個人ロッカーを小さいロッカーに統一するなどしてスペースを作り出しました。

・会議改革

これまで会議室を予約し、資料を印刷していた会議スタイルを、予約不要の会議室・資料の電子化・モニターを用いた会議スタイルへと変革したことにより、会議室予約から資料作成までの時間が約32%短縮されました。

こうした数々の施策の結果、残業時間が月平均で約20%削減され、什器の仕様統一により、椅子や机に関して約40~70%の調達コスト削減にもつながりました。また約9割の職員が「満足」 「(仕事が)しやすくなった」と話しています。

●地方自治体

各地方自治体でも、オフィス・事務所でオフィス改革を実施しています。

〈新潟県新潟市〉

庁舎再編を機にフリーアドレス制を導入。また、職員に対して働き方改革に関する研修を実施しています。

〈宮城県仙台市〉

“働く場は創るもの”の考えの下、職員のDIYによる家具の打合せスペースを設置しています。

〈静岡県静岡市〉

庁内の省スペース化を図りつつ仕事のプロセスを見直し、オフィス改革を実行しました。

〈愛媛県西予市〉

役職・部門の垣根をなくすために、机のレイアウト変更や袖机をなくし打ち合わせスペース設置などを実施。また来庁者に気づきやすくするため、平行配置をやめ、斜めに隣り合うように座るスタイルに。また窓際に一列に机を並べた集中席を設けたり、チーム席は全職員の70%程度とし、残りの職員は新たに作った「コミュニケーションスペース」で仕事をしてもらうなどする施策を行いました。またペーパーレス化も同時に進めました。

結果、アンケートでは約8割の職員が「以前よりコミュニケーションが増えた」と回答。そして、ペーパーレス化によるコスト削減の効果も出ています。

●民間企業

〈東京ガス〉

株式会社東京ガスは、平成28年12月、イノベーティブ(革新的)な働き方ができるよう、複数部署でオフィス改革を実施しました。また、所定外労働削減・生産性向上のための取組として「ワークスタイル改革」も実施しており、会議や資料作成の方法の見直しなどを試みています。

〈野村不動産グループ〉

野村不動産株式会社・野村不動産アーバンネット株式会社・野村不動産パートナーズ株式会社等のグループ企業が本社機能を置く新宿野村ビル41階に、2016年10月にグループ社員がサテライトオフィスとして使用できる「ARUMON(アルモン)」を開設しました。ARUMONは、野村(NOMURA)を逆さにしたネーミングで、逆転の発想や新しい働き方を社員自ら試行するスペースと位置付けました。

約300㎡のスペースには、複数の打合せスペースや、一人で机に向かうことのできる「集中ブース」、創作活動に利用できる「ライブラリー工房」など様々な機能を設置。その他コミュニケーションの場として「ラジオ体操&朝食会」「TOEIC勉強会」「BAR ARUMON」など社員の健康増進や自己研鑚にも活用されています。

〈コニカミノルタ〉

コニカミノルタ株式会社は、東京、大阪、名古屋などの各拠点のオフィスで多様なオフィス改革を行っています。例えば、2015年11月にリニューアルした名古屋しらかわオフィスは、社員自らプロジェクトを進め、一般社団法人ニューオフィス推進協会より第29回 日経ニューオフィス賞も受賞しました。

執務スペースは放射線状に席を配置し、円状にオフィスを回遊できるデザインで、コミュニケーション活性化を促します。またひとりで集中して作業したいときに利用できるソロワークスペースや立ちミーティングスペース、執務スペースに隣接するリフレッシュルーム、最大約60名収容できるセミナールーム、お客様へのオフィスツアーのプレゼンや商品の紹介に活用できる「イノベーションラボ」という来客コーナーなど、多様な目的ごとの機能を備えたオフィスになっています。

オフィス改革は、働き方改革で急務となっている長時間労働の削減につながる、業務効率化、生産性向上、従業員の仕事のしやすさなどに成果が出ることが期待できます。自社に求められる成果を明確にし、オフィス改革という観点から働き方改革に取り組むことも有効といえます。

関連リンク

Recommended

おすすめ記事

Service

サービス案内

COMPANY株式会社ザックのご紹介

創業から32年、オフィス移転・リニューアルの豊富な実績をもとに、
それぞれの課題に合わせたオフィスづくりをトータルサポート

オフィス空間そのものが、企業ブランディングや採用力向上・従業員エンゲージメントの向上につながると考え、
様々な角度からオフィスの課題を解決に導きます。

COLUMNオフィスアイデアコラム